Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
【身長は158センチで、足のサイズは23.5センチです】

 いくらか時間をおいて待つとメッセージが既読になりすぐに返事が届く。

【ありがとう。俺より20センチも小さいんだね、可愛い】

「っわわ!」

 手にしていたスマホをうっかり取り落としそうになった。流し目を向けてふわりと微笑む彼を思い出す。

 何だろう。前からうすうす思ってはいたけれど。慧弥さんって……実はかなり慣れてる?

 女性を喜ばせる言動やその扱い自体に慣れているような感じがした。それにプラスして実に思わせぶりな態度を取る。

 お金持ちで気品に満ちたイケメンエリートで、いつも余裕があって優しくて、女性を難なくエスコートできる、それが並樹慧弥という男性だ。そんな彼はさぞかしモテることだろう。これまでにお付き合いをした女性だって数知れないかもしれない。

 胸の奥でモヤモヤとした嫌な感情が生まれる。昨夜のあのメールを思い出してしまう。

 ーー【私は未来のあなたです】

 ーー【並樹は自社のためにあなたを利用しようとしています。詳細は語れませんが警戒だけは怠らないでください】

 慧弥さんが私を利用しようとしているって……いったいどういう意味? 私は彼に騙されているの?

 わからない……。
< 114 / 480 >

この作品をシェア

pagetop