Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
もはや恐縮の極みでしかない。これまでに弟のこと、自分自身のこと、母のことを気にかけて必要以上に尽くしてくれている彼なので、何と言って礼を示せばいいのかもわからない。
正面玄関に着いて時間を確認すると、約束の時間より数分前でホッと息をついた。鞄のなかでスマホが震えた。
【ごめんね、十五分だけ遅刻する】。慧弥からのメッセージだった。
【了解です。慌てなくてもいいのでゆっくり来てください】
返事を送るとすぐにメッセージが届いた。
【ありがとう】
【ナンパされるといけないから、院内で待っててね】
メッセージを読んで一瞬きょとんとなる。こんな場所でナンパなどという心配は全くないだろう。それよりも想乃が気になったのはあまりにも返信が早いということだ。
慧弥さん……運転中だよね?
大丈夫かな、と彼を心配してわずかに眉を寄せる。【わかりました】と文字を打ち、【中のコンビニにいます】と続けて送信した。
再びスマホを鞄に仕舞ったところで「ねぇちょっといい?」と背後から声をかけられた。俯けた顔を上げて周囲を確認するものの、まさかそれが自分に向けて言われているとも思えず想乃は首を傾げた。
「あなたに言ってるのよ、浅倉想乃さん」
……え。
正面玄関に着いて時間を確認すると、約束の時間より数分前でホッと息をついた。鞄のなかでスマホが震えた。
【ごめんね、十五分だけ遅刻する】。慧弥からのメッセージだった。
【了解です。慌てなくてもいいのでゆっくり来てください】
返事を送るとすぐにメッセージが届いた。
【ありがとう】
【ナンパされるといけないから、院内で待っててね】
メッセージを読んで一瞬きょとんとなる。こんな場所でナンパなどという心配は全くないだろう。それよりも想乃が気になったのはあまりにも返信が早いということだ。
慧弥さん……運転中だよね?
大丈夫かな、と彼を心配してわずかに眉を寄せる。【わかりました】と文字を打ち、【中のコンビニにいます】と続けて送信した。
再びスマホを鞄に仕舞ったところで「ねぇちょっといい?」と背後から声をかけられた。俯けた顔を上げて周囲を確認するものの、まさかそれが自分に向けて言われているとも思えず想乃は首を傾げた。
「あなたに言ってるのよ、浅倉想乃さん」
……え。