Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
「弟が生まれる前までは。優しくて芯があって。私も大好きだったわ。けど、弟が生まれてからは、私には見向きもしなくなった。だから私も母を求めなかった。今思えば……母の慧弥への愛情はどこか行き過ぎていたと思う」
そう言って蔑むような乾いた笑みを浮かべた。彼らの母、雅にとっては慧弥が玉のように可愛い男児だった。下の子であり、なおかつ異性。目に入れても痛くないほどの愛情を抱いていたのかもしれない。
黎奈の母親ほど顕著ではないが、想乃の母も自分と弟の郷とで可愛がり方が異なっていたように思う。
「でも」と続け、黎奈が冷静な口調で呟いた。
「なんとなくわかるのよね。慧弥は自然と女の目を惹きつけるような、独特な雰囲気を持ってるから」
ちらりと向けられる黎奈の視線を受けて、想乃は反射的に頬をあからめた。それはわかる、と思った。同意を示すよう、顎を引く。
コンビニに訪れる客として、初めて接客したとき。あの目に見つめられ、声を聞くだけで心臓が大きく揺さぶられた。
彼との契約を初めてからは、ふとした拍子にまつ毛を伏せる仕草や微妙な間を入れる話し方、柔らかな笑みと表情に魅了され、頭の中が慧弥でいっぱいになった。
つい一昨日のことを思い出す。
そう言って蔑むような乾いた笑みを浮かべた。彼らの母、雅にとっては慧弥が玉のように可愛い男児だった。下の子であり、なおかつ異性。目に入れても痛くないほどの愛情を抱いていたのかもしれない。
黎奈の母親ほど顕著ではないが、想乃の母も自分と弟の郷とで可愛がり方が異なっていたように思う。
「でも」と続け、黎奈が冷静な口調で呟いた。
「なんとなくわかるのよね。慧弥は自然と女の目を惹きつけるような、独特な雰囲気を持ってるから」
ちらりと向けられる黎奈の視線を受けて、想乃は反射的に頬をあからめた。それはわかる、と思った。同意を示すよう、顎を引く。
コンビニに訪れる客として、初めて接客したとき。あの目に見つめられ、声を聞くだけで心臓が大きく揺さぶられた。
彼との契約を初めてからは、ふとした拍子にまつ毛を伏せる仕草や微妙な間を入れる話し方、柔らかな笑みと表情に魅了され、頭の中が慧弥でいっぱいになった。
つい一昨日のことを思い出す。