Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
挨拶さえと考え、自らでプレッシャーをかけているなと気づく。せめて緊張を和らげようと別のことに意識を働かせる。
別のこと、と胸中で呟き、不定期につけていた日記の存在を思い出した。最後に書いたのが先月半ばごろなので、もうずいぶん経つ。実のところ、あるコメントを境に続きを書けなくなっていた。
《今現在、嘘の恋人役をしているKに事実上の失恋をした》という内容を書いた日記に、ひとつ、辛辣なコメントが寄せられた。
ただの中傷なら、気にせず書き続けていただろう。しかし実際にはそうではなく、読んだ瞬間目を見張り、自身の頬がぎこちなく引きつるのを感じた。
《ざまぁ。Kが簡単に心を許すはずないでしょ》
想乃が日記を続けようという意欲を削ぐには充分すぎるひとことだった。
もしかして、知り合い?——ドキンと心臓が跳ね、突如として背中が寒くなった。ただのイタズラにしてはどこか真に迫っているような気がした。
日記に書いたK、つまりは慧弥のことを知っている人物が、彼だと断定してこれを読んでいるのかもしれない。そう考え、これ以上書くのが怖くなった。
別のこと、と胸中で呟き、不定期につけていた日記の存在を思い出した。最後に書いたのが先月半ばごろなので、もうずいぶん経つ。実のところ、あるコメントを境に続きを書けなくなっていた。
《今現在、嘘の恋人役をしているKに事実上の失恋をした》という内容を書いた日記に、ひとつ、辛辣なコメントが寄せられた。
ただの中傷なら、気にせず書き続けていただろう。しかし実際にはそうではなく、読んだ瞬間目を見張り、自身の頬がぎこちなく引きつるのを感じた。
《ざまぁ。Kが簡単に心を許すはずないでしょ》
想乃が日記を続けようという意欲を削ぐには充分すぎるひとことだった。
もしかして、知り合い?——ドキンと心臓が跳ね、突如として背中が寒くなった。ただのイタズラにしてはどこか真に迫っているような気がした。
日記に書いたK、つまりは慧弥のことを知っている人物が、彼だと断定してこれを読んでいるのかもしれない。そう考え、これ以上書くのが怖くなった。