Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
そして、勲のあとに入ってきた紳士を迎え、どこからともなく、ぱちぱちと拍手が上がった。
「想乃、あの人が父だよ」
いつの間にか慧弥は賜を山内に預け、手を叩きながら想乃に囁いた。想乃も場の空気に倣い、拍手を送る。
慧弥の父——現在、ナミキホールディングスの二代目社長を務める、並樹慧。
還暦を迎えたはずだが、どう見ても若い。五十代と言われても頷けるほどの若々しさで、しかも端正な顔立ちをしている。
それに——そう思い、想乃は慧を見て目を瞬かせた。なぜかはわからないが、どこか懐かしさを覚える。
拍手が鳴り響く中、慧弥の祖父と父が奥の演壇へと向かった。すれ違いざま、慧が慧弥に目配せする。慧弥は訳知り顔で、静かに頷いた。
主役である慧が演壇の傍に立つと、司会を任された晴彦が壇上の隅でマイクを握りしめた。
「お時間となりましたので、これよりナミキホールディングス代表取締役社長、並樹慧さまの還暦祝いパーティーを開会いたします」
「想乃、あの人が父だよ」
いつの間にか慧弥は賜を山内に預け、手を叩きながら想乃に囁いた。想乃も場の空気に倣い、拍手を送る。
慧弥の父——現在、ナミキホールディングスの二代目社長を務める、並樹慧。
還暦を迎えたはずだが、どう見ても若い。五十代と言われても頷けるほどの若々しさで、しかも端正な顔立ちをしている。
それに——そう思い、想乃は慧を見て目を瞬かせた。なぜかはわからないが、どこか懐かしさを覚える。
拍手が鳴り響く中、慧弥の祖父と父が奥の演壇へと向かった。すれ違いざま、慧が慧弥に目配せする。慧弥は訳知り顔で、静かに頷いた。
主役である慧が演壇の傍に立つと、司会を任された晴彦が壇上の隅でマイクを握りしめた。
「お時間となりましたので、これよりナミキホールディングス代表取締役社長、並樹慧さまの還暦祝いパーティーを開会いたします」