Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
「お疲れ様です、並樹常務」
傍らより声をかけられ、慧弥が振り返る。ふっと表情を崩した。
「塚口か。いいよ、今日は無礼講で」
「それじゃあ、お言葉に甘えて、並樹で」
「はははっ、ずいぶん飲んでるな〜」
「当然。そういう並樹はシラフかよ」
「まぁね」
言いながら通りかかったボーイを呼び止め、慧弥はふたつのグラスを手に取った。そのうちのひとつを再び想乃に渡す。ノンアルコールのカクテルだ。
ふと、シャンパングラスを手に陽気に笑う男性と目が合った。想乃は小さく会釈し、隣りの慧弥に視線を向けた。
どちらさまだろう。口ぶりからして、慧弥の部下で社員なのは間違いないけれど。なかなかに親しい間柄のようだ。
「想乃、こちらナミキホールディングスの情報システム部課長、塚口さん」
慧弥の手で指し示されて「初めまして」と頭を下げる。
「浅倉想乃です」
「塚口竜成です」
向こうからもきちんと頭を下げられて、いくらか恐縮してしまう。「並樹とは元同期で」と続け、「元ってなんだよ」と慧弥が文句を言う。
なるほど。同期だから親しいのか。
「並樹の彼女?」
「と言うより婚約者」
「あらまぁ、ってことは来年には……?」
「……うん。視野に入れてる」
傍らより声をかけられ、慧弥が振り返る。ふっと表情を崩した。
「塚口か。いいよ、今日は無礼講で」
「それじゃあ、お言葉に甘えて、並樹で」
「はははっ、ずいぶん飲んでるな〜」
「当然。そういう並樹はシラフかよ」
「まぁね」
言いながら通りかかったボーイを呼び止め、慧弥はふたつのグラスを手に取った。そのうちのひとつを再び想乃に渡す。ノンアルコールのカクテルだ。
ふと、シャンパングラスを手に陽気に笑う男性と目が合った。想乃は小さく会釈し、隣りの慧弥に視線を向けた。
どちらさまだろう。口ぶりからして、慧弥の部下で社員なのは間違いないけれど。なかなかに親しい間柄のようだ。
「想乃、こちらナミキホールディングスの情報システム部課長、塚口さん」
慧弥の手で指し示されて「初めまして」と頭を下げる。
「浅倉想乃です」
「塚口竜成です」
向こうからもきちんと頭を下げられて、いくらか恐縮してしまう。「並樹とは元同期で」と続け、「元ってなんだよ」と慧弥が文句を言う。
なるほど。同期だから親しいのか。
「並樹の彼女?」
「と言うより婚約者」
「あらまぁ、ってことは来年には……?」
「……うん。視野に入れてる」