Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
 それにしても、わざわざ調べてくれたんだ。

 嬉しさで胸の奥にポッと火が灯った瞬間——

「今からうち来る?」

 想乃は肩をびくっとさせ、思わず変な声を出した。

「け、け、け、慧弥さんの……家、ですか?」
「そこ以外にどこがあるの」

 慧弥は笑いをこらえつつ、ゆっくり頷いた。

「あ、いや、でも……。悪いし」

 言いながら、想乃の頬がみるみるうちに赤くなる。

 慧弥さんがどんな暮らしをしているのか、正直気になる。だけど、やっぱり緊張する……。

「言っとくけど、何もしないよ? 話をするだけ」
「……うぅ」

 大袈裟に意識した自分を見透かされて、想乃はしどろもどろになる。恥じらいから耳まで赤く染めながらも、こくんと頷いた。

「行きます」

 慧弥はくすくすと笑いながら、「オッケー」と返事をする。

「着いたらまた話そう。帰りもちゃんと送って行くから」

 慧弥の車は手頃な駐車場で一度Uターンし、夜の街へ走り出した。
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