Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
***
本当にサプライズをするのが好きな人だと思う。
想乃は今しがた渡された小さな革のケースを見つめ、きょとんと目を瞬いた。
「あの、慧弥さん……これは?」
「開けてみて?」
言うまでもなくブランド物。ピンク色のレザー仕立てで、シンプルなのに可愛い。スナップボタンを外し、それを開くと、中から光沢のある黒いカードが出てきた。
「……あの?」
困って眉を下げる。ソファの隣に座る慧弥を見て首を傾げると、にっこりと微笑を向けられた。
「それ、この部屋の合鍵だから」
「えっ」
合鍵……?
「俺にも慣れてきただろうし、そろそろいいかなって」
思いもかけず、想乃は言葉を失った。レディース用のカードホルダーを何度も見つめ直してしまう。カードをそのまま渡すのではなく、わざわざこうしたケースに入れて持たせるのが、実に慧弥らしい。
「こっちの都合で直接来てもらうこともあるかもしれないから、常時持ち歩くように」
「わかりました」
「くれぐれも失くさないようにね? 失くしたらお仕置きだから」
「お、お仕置き……?」
いったいなにをされるのだろう。想乃はぎこちなく笑い、わずかに身構えた。
想乃の表情を見て、慧弥が「ふふっ」と吹き出す。どうやらからかわれているらしい。
本当にサプライズをするのが好きな人だと思う。
想乃は今しがた渡された小さな革のケースを見つめ、きょとんと目を瞬いた。
「あの、慧弥さん……これは?」
「開けてみて?」
言うまでもなくブランド物。ピンク色のレザー仕立てで、シンプルなのに可愛い。スナップボタンを外し、それを開くと、中から光沢のある黒いカードが出てきた。
「……あの?」
困って眉を下げる。ソファの隣に座る慧弥を見て首を傾げると、にっこりと微笑を向けられた。
「それ、この部屋の合鍵だから」
「えっ」
合鍵……?
「俺にも慣れてきただろうし、そろそろいいかなって」
思いもかけず、想乃は言葉を失った。レディース用のカードホルダーを何度も見つめ直してしまう。カードをそのまま渡すのではなく、わざわざこうしたケースに入れて持たせるのが、実に慧弥らしい。
「こっちの都合で直接来てもらうこともあるかもしれないから、常時持ち歩くように」
「わかりました」
「くれぐれも失くさないようにね? 失くしたらお仕置きだから」
「お、お仕置き……?」
いったいなにをされるのだろう。想乃はぎこちなく笑い、わずかに身構えた。
想乃の表情を見て、慧弥が「ふふっ」と吹き出す。どうやらからかわれているらしい。