Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
「慧弥さんのこと、とっくに好きなんです……っ」

 真顔で硬直する慧弥と、正面から目が合った。

「……え?」

 慧弥は目を見開いた後、眉をひそめ、困ったように視線を泳がせた。

 その表情を見てしまった瞬間、悟ってしまう。

 こんなはずじゃなかったのに——彼が今、そう思っているのが。

 ……ああ。嘆息とともに、大きな落胆が想乃にのしかかる。

 しかしながら、一度口をついて溢れた言葉は、もう止められなかった。胸にしまい込んだ気持ちをすべて引き連れて、想乃の口からあふれ出した。

「慧弥さんと契約を結ぶ前からです。コンビニで働いていたときから……あなたのことがずっと頭から離れなくて、あなたにずっと恋をしていました……っ」

 慧弥はあからさまに顔をしかめ、小さく息を吐いた。

「……嘘だろ」

 ぼそりと呟くと、想乃から視線を逸らし、運転席のシートにまた背をつけた。片手で顔を覆う。想乃の本気の告白を受けて、どう反応していいかわからないのが見て取れた。

 そして——ハァ、と重苦しいため息が、車内に落ちる。

 慧弥のその仕草が、胸に鋭く突き刺さった。

「ごめんなさい……」

 視界がにじんでぼやけ、また涙がこぼれる。頬を伝う雫を止められず、想乃は小さくしゃくり上げた。

「好きにならないって条件、守れませんでした。もう……っ、今日終わっても構いません」

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