Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
「ありません。そんなデリケートな話、自分からできませんっ」
「わかりました」
女性からの尋問めいた問いは終わり、想乃は言われるがままに、調書に署名と押印をした。
「まだ捜査を続ける必要があるので、またご協力をお願いするかもしれません」
「……わかりました」
沈んだ表情で小さく会釈し、警察署の出口に向かって歩く。途中、ズズッと鼻をすすった。
あんな聞き取りがまたあるかもしれないなんて、考えただけで憂鬱だ。
「浅倉さん!」
不意に背後から声をかけられた。先ほどまでの女性ではなく、男性の声だ。振り返ると、事件当時、慧弥と一緒に駆けつけた刑事が走り寄ってきた。
慧弥の親友、水沢拓司だった。
「色々と、嫌な思いをさせて申し訳なかった」
警察署の外にあるベンチで、水沢と少し話すことになった。座っている想乃に対して、水沢は立っている。
水沢がすぐそばの自動販売機で飲み物を買い、ひとつを想乃に渡してくれる。ホットレモンだ。
「ありがとうございます、いただきます」
温かいペットボトルを両手に包み、キャップを開ける。ひとくち飲み込むと甘酸っぱい味が口の中に広がり、少しだけ気持ちが楽になる。
「慧弥から俺のことは聞いてるよね?」
「わかりました」
女性からの尋問めいた問いは終わり、想乃は言われるがままに、調書に署名と押印をした。
「まだ捜査を続ける必要があるので、またご協力をお願いするかもしれません」
「……わかりました」
沈んだ表情で小さく会釈し、警察署の出口に向かって歩く。途中、ズズッと鼻をすすった。
あんな聞き取りがまたあるかもしれないなんて、考えただけで憂鬱だ。
「浅倉さん!」
不意に背後から声をかけられた。先ほどまでの女性ではなく、男性の声だ。振り返ると、事件当時、慧弥と一緒に駆けつけた刑事が走り寄ってきた。
慧弥の親友、水沢拓司だった。
「色々と、嫌な思いをさせて申し訳なかった」
警察署の外にあるベンチで、水沢と少し話すことになった。座っている想乃に対して、水沢は立っている。
水沢がすぐそばの自動販売機で飲み物を買い、ひとつを想乃に渡してくれる。ホットレモンだ。
「ありがとうございます、いただきます」
温かいペットボトルを両手に包み、キャップを開ける。ひとくち飲み込むと甘酸っぱい味が口の中に広がり、少しだけ気持ちが楽になる。
「慧弥から俺のことは聞いてるよね?」