Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
 そう告げながら、そっと乱れた衣服を直し、優しく頭を撫でる。

 想乃はきゅっと唇を結んだ。

 彼が立ち上がる気配に、迷いが生まれる。

 このまま、終わるの……?

「待ってください」

 意を決して、慧弥の手を掴んだ。

「……やめ、ないで?」

 震える唇から零れる言葉。

 視界がかすかに揺らいだ。

 慧弥が眉を下げ、ふっと微笑んだ。

「想乃は初めてだから……これ以上は」

 ためらうような声音に、想乃はそっと身を起こした。

 そして、勇気を出して、自ら慧弥の唇にキスをした。

「……初めて、だから。慧弥さんがいいんです」

 ほんのわずかに震える声。

「慧弥さんに……今、してほしい……」

 それでも想乃の意思は、確かだった。

 慧弥が目を見張る。驚いたように言葉をなくし、真っ赤に染まる想乃の顔を見つめた。その瞳が揺らぎ、眉が切なげに寄せられる。

 次の瞬間、慧弥の腕がすっと想乃の背中を包んだ。ふわりと、体が宙に浮く。

「け、慧弥さん?」

 急に抱き上げられたことに驚き、想乃は彼のたくましい肩に思わず手を添えた。

 慧弥は何も言わず、静かに寝室へと歩を進める。

 そして、そっとベッドへと横たえた。

「正直……途中で止まれる自信ないけど」

 低く囁く声が、どこか熱を帯びている。

「嫌だったら言うって、約束して?」
「……あ」
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