Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
想乃は改めて考える。Xの正体は依然として不明のまま。慧弥が探ろうとしていた“彼ら”の真の目的も、結局わからなかった。
「思ったより、聞き出せませんでしたね?」
隣で立ち上がる慧弥を見上げ、想乃もあとをついて行く。慧弥はスマホを手に、キッチンのカウンターテーブルへ向かい、それを充電器につないだ。
「そうでもないよ」
軽く返され、想乃は目を瞬く。
「……え?」
「ミライは“あらゆるヒント”をくれた。起こる事象によって、『性格や思考が全くの別人になること』。『塚口への警戒』、そして最後に言われた『俺への忠告』——大収穫だよ?」
「そうなんですか……?」
慧弥は冷蔵庫を開け、瓶入りのスパークリングワインと二人分のグラスを取り出す。
想乃も彼の手伝いをする。ふたりでお酒とおつまみを準備し、再びソファへ腰を落ち着けた。
「未来の俺は、よほど叶えたい願いがあるのだろう。けれど、自分では動かず、郷を使っている」
「……どうして、自分で動かないんでしょうか?」
想乃は困惑し、首を傾げる。
慧弥はグラスにシャンパンを注ぐと、想乃のグラスと軽くぶつけた。キン、と透明な音が響く。
「動かないんじゃない。おそらくは、動けないんだ」
「……え?」
「思ったより、聞き出せませんでしたね?」
隣で立ち上がる慧弥を見上げ、想乃もあとをついて行く。慧弥はスマホを手に、キッチンのカウンターテーブルへ向かい、それを充電器につないだ。
「そうでもないよ」
軽く返され、想乃は目を瞬く。
「……え?」
「ミライは“あらゆるヒント”をくれた。起こる事象によって、『性格や思考が全くの別人になること』。『塚口への警戒』、そして最後に言われた『俺への忠告』——大収穫だよ?」
「そうなんですか……?」
慧弥は冷蔵庫を開け、瓶入りのスパークリングワインと二人分のグラスを取り出す。
想乃も彼の手伝いをする。ふたりでお酒とおつまみを準備し、再びソファへ腰を落ち着けた。
「未来の俺は、よほど叶えたい願いがあるのだろう。けれど、自分では動かず、郷を使っている」
「……どうして、自分で動かないんでしょうか?」
想乃は困惑し、首を傾げる。
慧弥はグラスにシャンパンを注ぐと、想乃のグラスと軽くぶつけた。キン、と透明な音が響く。
「動かないんじゃない。おそらくは、動けないんだ」
「……え?」