今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
そしてしばらくすると、ダニエルが紅羽を連れて戻ってきた。

紅羽の瞳には僅かに涙が浮かんでいて、リップは塗り直されている。

何があった!?

ダニエルを見ると困った顔をして首を横に振る。

何かあったんだ。

でもここでは話を聞く事ができない。

俺は隣に座った紅羽の手を握ろうとするとビクッと過剰な反応をされる。

良く見れば、震えてる!?

クソっ! 何があったんだ!

パーティーももうすぐ終わる。

「もう少しだけ頑張れる?」

俺はそっと紅羽に声をかけると、紅羽はコクっと頷いた。

「ごめんな? 後でちゃんと話しをしよう」

そして紅羽はなんとか挨拶に来る人たちに笑顔で接する。

最後まで紅羽は頑張っていた。

相変わらず九条は会場から姿を消したまま結局戻らなかった。
やっぱり九条が紅羽に何かしたに違いない。


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