重ねる涙の先で仕合せは紡ぐ。
「遅れてごめん、怒ってる?」
俯き何も言わないわたしを見て、巡は言った。
巡はわたしの隣に腰を下ろすと、俯くわたしの顔を覗き込んできた。
「花恋、、、どした?」
泣いているわたしに気付き、心配そうにわたしの背中を撫でる巡。
わたしは絞り出すような小さな声で「嘘つき、、、。」と言った。
「え?嘘つきって、俺が来るの遅れたから?」
「違う、、、あの女、誰?」
涙声でわたしがそう言うと、巡は「あぁ、、、さっきの人、見てたのか。」と言った。
「浮気してたんでしょ、、、。」
「違う違う。あの人は、仕事関係者の人。前からある頼まれ事をしてて、ずっと断ってたんだけど、家にまで来ちゃって、、、。」
「でも、抱きついたじゃん、、、。」
「あれは、一方的に向こうがきただけで、俺はやめてくださいって、すぐ離したよ。彼女がいることもちゃんと言ったし。」
巡はそう言うと、「それで泣いてたのか。」と言い、それからわたしを抱き寄せると、「誤解させてごめん。」と謝った。
「本当に、、、ただの仕事関係者の人なの?」
「本当。」
「嘘じゃない?」
「俺は嘘つかない。」
わたしは安堵の涙を流し、巡に抱きついた。
そして、「馬鹿、、、不安だったんだから。」と言う。
巡はわたしを包み込むように抱きしめると、「ごめん。」と言い、わたしの頭を何度も撫でた。