重ねる涙の先で仕合せは紡ぐ。
それから、あっという間に2週間が経ち、巡が東京へ向かう日になった。
わたしはタクシーで空港へ向かう巡を、巡の自宅前で見送ることにした。
「じゃあ、行ってくる。」
大きなキャリーケースを片手に巡が言う。
わたしは巡に抱きつき、「頑張って来てね。いってらっしゃい。」と涙を堪えて言った。
巡はわたしを抱きしめ返すと、「出来るだけ、時間が出来たら電話するようにするから。」と言い、わたしはその言葉に頷いた。
「それじゃ、そろそろ行くな。」
巡はそう言うと、ゆっくりとわたしから離れ、そっと唇にキスをした。
そして、巡は待っていたタクシーに乗り込み、わたしに向けて手を振る。
わたしも出来るだけ笑顔を作り、手を振り返した。
走り出すタクシーに、巡の姿が見えなくなっていく。
1人残されたわたしは、その場にしゃがみ込み、堪えきれず声に出して泣いた。
巡に会えない日々の始まりだ。
わたしはそのあと仕事があった為、泣き腫らした顔をマスクで隠し、出勤したのだった。