重ねる涙の先で仕合せは紡ぐ。

それからわたしたちは、お互いの時間が合う時に電話をしたり、LINEをしたりしながらやり取りを続けていた。

しかし、巡は徐々に忙しくなり、電話の出来る時間がすれ違ったり、LINEもなかなか既読がつかないと不安になったりした。

巡は、忙しいんだ。仕方ない。
わたしは自分にそう言い聞かせた。

そんなある日の仕事帰り、パーカーのポケットの中でスマホが振動した。

あ!巡かも!

わたしは急いでスマホを取り出した。

着信は、やはり巡からだった。

「もしもし?」
「もしもし、花恋?最近なかなか電話出来なくてごめんな。」

そう話す巡の電話の向こう側は、ガヤガヤとしていて居酒屋にいる雰囲気を漂わせていた。

きっと、バンドのメンバーとかと付き合いで飲みに行ったりしてるんだろうなぁ、と思った。

「仕方ないよ。忙しいんでしょ?」
「うん、LIVEか近いからスケジュールが詰め詰めで、、、。今も練習帰りに居酒屋寄って飯食ってるとこ。ちょっと抜けて、電話してるんだ。」

少しでも電話をする時間を作ってくれたんだ。

わたしはその巡の気遣いに涙が出そうになった。

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