君との恋は面倒すぎる
それから少しして卒業式を終えた。

手には卒業証書を持っていてクラスでの担任の挨拶も終わる。

周りが打ち上げや何やと騒いでる間にも私は蒼空くんにすぐに会いたくなってカバンを教室に置いたまま飛び出した。

蒼空くんのクラスに行くと既に蒼空くんの姿はなくて、あたりを見渡す。


「あれ、柊くんの…、どうかした?」

「蒼空くんどこ行ったかわかる?」

「さっき後輩に呼び出されてたな。廊下にでもいるんじゃないか、ついさっきだったから。」

「そっか、ありがとう」


そうお礼を言って蒼空くんを探しに行こうとした。

そしたら急に腕を掴まれて前に進んでたからだがグンッと止まる。


「え?」


私の腕を掴んでいたのは茉莉ちゃんだった。

この1年間姿を見かけても視界に入れないようにしていた。

そんな相手が今私の腕を掴んでいる。
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