この恋、延長可能ですか?
んー……こんなものでいいかな?

その夜、再確認としてミツさんに連絡をいれた。

料金や時間のことを纏めた、ToDoリストのような中身になったけれど、我ながら今後のスケジュールが明確に提示できたと思う。

しかし、昨日はすぐに届いた返事も今日は全く来る予感もなく、代わりに弟から《1発合格!》と、写真付きのメッセージが届いた。運転免許、本試験に無事合格したとの報告だ。

歳の離れた弟は、いま、大学生だ。教習所のお金を私が出したから、わざわざメールをくれたらしい。我が弟ながら、他者に感謝の気持ちを持てる優しい子だ。

《ひより、もうすぐデートだよね》
《頑張ってね!》
《いやなことがあったら、即デート中止にするんだよ!?》
《それかうちらがこっそり後つけようか》

つづいて、青春部のグループラインが動いた。大事な人の優しさに触れてほっこりとしたままベッドに沈んだ。ふかふかのベッドはやさしさの塊だと思えた。


《じゃあ金曜の夜七時頃に噴水公園で。楽しみにしていますね》


やんわりとしたクラゲのような返事は、起床後に確認した。ミツさんからの返事は、どうやら日付が変わる直前に届いたらしい。

わたしもです、と、同調のメールを送って、うんと伸びをする。

幸せなきもちで目覚めた朝。朝食の準備だって鼻歌交じりで、あま〜いフレンチトーストで一日が始まる。

『そんな浮かれちゃって、大丈夫?』

悪魔が脳内で釘を刺す。しかし『幸せバブル、絶好調だもんね』にっこりと微笑んだ天使が後押しするので、うんうんと頷いて、ベージュのエナメルパンプスにつま先を潜らせた。



幸せにバブルがあるのなら、あとは弾けて消えるだけなのに。
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