Dearest 1st 〜Dream〜
「朝岡、頼む。」
「何を?」
隼人はますます俺に密着し──……
「───女紹介して♪」
「はぁ?」
要望を言い切った隼人は、何やら期待した眼差しで俺を見つめている。
「朝岡の周りは女ばっか寄ってくるじゃん♪
一人くらいいいだろ?」
女好きな隼人ならではの頼みに顔がどんどん引きつっていく。
「お前ねー……」
「朝岡、お前絶対損してるって!
寄って来る女の一人や二人食ってやらなきゃ失礼だぜ!?」
「あーそう。」
「んじゃ合コンでも開いて♪
俺が有り難く頂くから♪」
「…………」
俺が嫌悪感たっぷりで隼人を睨むも逆効果。
「なんなら手短に皐月さんでも──…」
────ヒュッ!
俺と隼人の間にドラムスティックが飛んできた。
「……あらごめんなさい。スティックが飛んじゃった。」
マリアはそう言って、ニッコリと笑った。
──あの様子じゃ、かなりのご立腹だ。
「……や、あの、これはね皐月さん……」
「うちのリーダーを色んな事にたぶらかすのやめてもらえます?」
マリアはさらにニッコリと笑い、スティックを隼人に向けた。
「あ、はは……
いや今日はお疲れさんでした!」
そう言うやいなや、隼人はサッサと楽屋から出て行った。