Dearest 1st 〜Dream〜
───……これもまた、
“現実”なのか?
“───あげるっ♪”
そう言って、この絵をくれた彩の笑顔がぼやけた。
申し訳なさと
不甲斐なさと
情けなさが全て混ざり合いながら
心にも鋭い大きな傷が出来ていく。
──…初めて貰ったものだった。
たった紙きれ一枚に、
沢山の温かみを貰った。
……俺の支えだった。
それが
なくなってしまった。
「……………っ」
もしこんな状態でなかったら、俺は怒り狂っていたかもしれない。
……だけど実際は、
怒りと痛みと悲しさと苦しさで、
何ひとつ、動けなかった。
────ピッ…ピッ…
ケータイのボタンを押す音が聞こえ、
俺は単純に助けてくれるのかと思った。
──…しかし……
「彩ちゃんと公園でお話してくるね♪」
───……は……?
耳を疑った。
「……何やって……?」
「あたしこのままじゃ気が済まない。
彩ちゃんとも、ちゃんと話さなきゃ。」
「──待て……
彩は関係ないやろ……」
「──関係あるよ。
あの子がいなきゃ、純はこんな風に変わらなかった!!」
「何言って──…」
「───…許せないの。
あの子の存在が……」
チカはそう呟くと俺を睨み付け、
「──…じゃあね♪」
俺を残し、手を振って部屋から出て行ってしまった。