Dearest 1st 〜Dream〜
「───…待ってよ…!!
何でそうなるのよ……?」
───マリア………
「……大学もやめるし、もう今の俺には曲作るのも限界や……
────声も…………
さっきの見てたら分かるやろ……?」
「そんなことない…!!
また声出るよ!!!!
曲だって落ち着いたら出来るよ絶対!!!」
────…壱………
「俺はこれからどうなるか分からん……
活動だってきっと出来ひん…
お前らが解散嫌がっても俺は抜ける。
誰か他にいいヴォーカル見つけてくれ。
リーダーも吾郎に……」
「そんなんで俺らが納得すると思うかよ!!!!」
「───…吾…郎………?」
「何だよそれ!!!!
話してくれたと思ったらいきなり妊娠させたとか、大学やめるとか、解散しろとか───…!
お前本当いい加減にしろよ!!!!!」
「────………」
「お前にとって"紅"は…
"俺ら"はそういうもんなのかよ────…!!」
「………吾郎………」
「今までお前の指示には従って来たけど……
───今回ばっかりは絶対に従わない。
相談もなしに……
全部一人で決めるな………!」
「────………」
吾郎は踵を返して歩き出した。
吾郎がこんなにも俺に怒った姿は、幼い頃からの付き合い上、初めての事だった。
「───…あのね純…
吾郎はああやって怒ったけど……
本当はずっと純の事心配してたんだよ……
多分一番───…」
……………………
──“ちゃんと食べてるのか?”
“病院行けよ!!”───
……思えば………
吾郎はいつも俺に対して一番気を掛けてくれていた。
それは幼い頃からずっとそうだった。
「………吾郎ね……
純が様子おかしいの気付いてから、ずっと吾郎なりに悩んでたんだよ……
誰に対しても優しい吾郎だけど……
純に対しての思いは、
誰よりも一番強いから──……」
マリアはそう俺に告げ……困った表情で理解を求めた。