Dearest 1st 〜Dream〜
第15章 終止符
第15章 終止符
第15章 終止符
───…秋か冬か、その狭間か。
風が一段と冷たく厳しくなった気がする。
過呼吸を起こし、息が出来なくてのた打ち回った俺の体はますます弱っていた。
「………ゲホッゲホッ……!」
咳はますます酷くなり、
歌う事はおろか、歌おうと試みるだけで目眩に襲われた。
それどころか喋りでもしたらまた過呼吸を起こしそうで、最低限の会話以外ほとんど喋る事はしなかった。
────もう、
今の俺に歌う事は絶望的だった。
……それは口に出さなくとも、吾郎達も感じていたと思う。
歌えないなんて致命的だった。
歌うことが何より一番好きだった俺が
歌うことが何より一番怖くなった。
更に食欲は落ち、睡眠も取れない日々が続き……
───…そんな俺の衰弱を見かね、吾郎達は俺をとうとう病院へと連れ出した。