Dearest 1st 〜Dream〜





そんな彩を見つめていると──…






月明かりと街灯の下。






二つの光が彩を照らし、

俺はそこで初めて彩の異変に気がついた。







「……ってあれ?



彩も怪我してるやん?」





「……え?」







俺は手首を指さした。







それはついさっき新しく出来た傷とは違う。






どうみても深過ぎる切り傷。






「……これは……」






彩は急に声がか細くなり、傷が見えないようにキュッと制服の袖を伸ばした。







──その仕草に、俺の胸に違和感が訪れる。







そしてさらに……







「──?



何かよう見たら顔も腫れてないか?」






明らかに何日か過ぎて、青く腫れている顔面。






……内出血だろうか…?







「…………」






彩は俯いて視線を外す…。






──カタカタと再び全身を震わしながら。







「……何かあったん?」





俺は噛み締めるようにゆっくりと声を掛けた。






「………」






けれど彩は……





全く無言のまま、何かに怯えるように震えていた。



< 96 / 402 >

この作品をシェア

pagetop