Dearest 1st 〜Dream〜





嫌な想像が頭を張り巡る。





一体どうしたらこんな傷だらけになる……?





きっと……





きっとこれは──…







「……これ…



一週間前に転んだの…



彩ドジでしょ?」






彩は目も合わさずにそう笑った。






─────嘘だ。






いくら何でも分かる。





転んだだって?




どう転んだらこんな風になる?






その証拠に彩は一切目を合わさない。





…また一つ分かった。






彩は嘘を付くのがかなり下手だということ。








これはきっと──…







きっと他人に──…








けれど……







「────…っ」







──聞かないで──






無言なのに、そう訴えているように見えて仕方がない。





……………。






今にも泣き出しそうな彩を見ると、俺はこれ以上聞けなかった。






きっと聞けば、彩が必死にかばっているカサブタを剥がしてしまうだろう。






「…ほんまに?」





「……うん。」






──けどもう一回だけ確認するで。







「───誰かに殴られたとかじゃないよな?」








「……ちが…う……」






──ハッキリした。






また完全に目を逸らしたから。







──…殴られたんやな。







「…ならえぇよ。

よっぽど酷い転び方やったんやな。



さっ帰ろか?」






俺はそう言って笑い、彩の必死の嘘に付き合った。





……ハッキリしただけでいい。





きっと、誰にも話したくないんだろう。







だけど、彩。





これだけは変わらない。





彩をこんな風にした奴を、






俺は






絶対許さない。


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