Dearest 1st 〜Dream〜
──振り向けば、
恐々と俺の様子を伺う彩がいた。
「………あの……」
傷ついた瞳で、怯えながらも俺を見つめる彩───…。
「ん?」
俺が穏やかにそう聞くと…
「───これ、あげる♪」
彩は微かに震える手で、俺にコンビニ袋を差し出してきた。
「……え?」
突然の事に、ぽかんとしていると…
「さっき助けてくれたお礼♪
それから、お見舞いの時にくれたお菓子のお礼も♪」
……ニコッと彩は笑い、もう一度俺に差し出した。
中身は、さっき彩がコンビニで買っていた紙パックのミルクティーだ。
「お礼なんかえぇよ、彩がこれ飲みたくて買ったんやろ?」
「ううん、いいの。
受け取って欲しいんだ。
これ買ったら朝岡さんに会えたから。
……こんな事しか思い付かなくてごめんね」
俺が首を振ると、彩は俺の手を握り──…
「はいっ♪」
無邪気な笑顔でミルクティーを渡してくれた。