ドブみたいな色の
暫く会ってなかった蓮人くんは、身長が伸びた気がする。
小学生の頃は私よりも少し高いくらいか、私と同じくらいの身長だったのに……


「美術部って、毎年コンクールに作品出しているよね?のえちゃんの作品も、コンクールに出すの?」


そういえば蓮人くんって、私の描く絵を最近見てないんだった。


「うん」

「そっか。見に行くね」


私の作品を見に行くためだけに、作品が展示されている市の体育館まで行くの!?
しかも、展示期間短いよ!?


「わざわざ行かなくても……三学期になったら、学校の廊下に飾るみたいだし」

「廊下で見るのとコンクール会場で見るのとでは、印象変わるから。両方楽しみたい」

「そ、そうなんだ……」


だいぶ照れる。

蓮人くんが、ここまで私の描く絵が好きだとは思いもしなかった。
嬉しいけど、少し恥ずかしい……


「折角だから、一緒に帰ろう」


蓮人くんが私の顔を覗き込む。
キラキラとした蓮人くんの目が、私を見ている。


「ね?いいでしょ?」


うっ……断れない。
断る理由っていうのも、「からかわれたくない」っていうやつしか思い浮かばない。
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