高貴な財閥夫婦の秘密
「――――焼けたぞ〜!」 

夕飯の時間になり、四人はテラスでBBQをしている。
知嗣と那留が焼いて、ゆっくりしている梨良と美奈に呼びかけた。

「梨良、適当にいれてきたから、一緒に食べよ?」
「うん!」

知嗣が大きなお皿に、肉や海鮮、野菜を入れて梨良の隣に座った。
お酒と一緒に、BBQを堪能する。

美奈は那留に食べさせながら、自身もゆっくり食べている。

四人は、それぞれカップルでの時間を過ごしていた。


「星、綺麗…//////
お天気良いから、空も澄んでて星がよく見えるね!」

梨良が空を見上げ微笑んだ。
そして、隣に座る知嗣に話しかける。

「うん」
知嗣も、空を見上げる。

「……/////」
その横顔が、あまりにも綺麗で梨良は見惚れていた。

「ん?何?」

「あ…/////」

「梨良?」

「……/////」
顔を覗き込まれる。

「梨良?どうしたの?」

「あ…//////美味しいね!」

「……??
うん、そうだね!」
微笑み、小さく切った肉を箸でつまむ。
そして「梨良。あーん!」と口元に持っていった。

「あ…/////あーんん…」
照れたようにパクっと肉を食べた、梨良。

「美味し?」
「うん/////」

更に顔を赤くする梨良に顔を寄せ、知嗣は「ほんと…可愛い…」と囁いた。


一方の、那留と美奈。
「――――那留、あーん!」

「あーーんん!
ん?これ、玉ねぎじゃねぇか!!」

「玉ねぎ、美味しいじゃん!」

「はぁ!?
焼肉の玉ねぎ、嫌いなんだよ!?
知ってんだろ!?」

「フフ…」
クスクス笑っている、美奈。

「肉!!美奈、肉食わせろよ!!
えーと……あ、これ!!」
焼けた肉を、美奈の持っている皿に乗せた。
そして、大きく口を開けて待つ。

美奈は更に笑って、その肉を口に入れた。
「フフ…那留、子どもみたい!(笑)」

「うっせぇな…!!(笑)」
那留と美奈も、微笑み合っていた。


そして………

軽いつまみを食べながら、今はプールサイドで酒を飲んでいる四人。

「でもほんと……星、こんなはっきり見えるなんて凄いね……!」
空を見上げて梨良が言った。

「そうね!」
美奈も、空を見上げて微笑む。

「俺達ん家でも、こんな綺麗には見えねぇよな?」

「そうだね。
周りに何もないけど、結構外灯とか明るいし…」

「………」
「………」
「………」
「………」

しばらく、シン…と静かになって………

四人はただ…空を見上げていた。

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