The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「よくもまぁ俺に聞きに来ましたね、そんなこと…。革命軍なんて、俺の知ったことじゃないですよ。あんな使えない味方を選んだのはあなたでしょう?」
「…」
「大体こうなるのは予測出来たことでしよう。自分の見通しの甘さが招いた事態でしょうが。その責任を俺に取らせようなんて…良いご身分ですねぇ。知りませんよ、そんなことは。自分の仲間のことでしょ。自分で何とかしたらどうですか」
「…」
ルレイア殿の言うことは、何もかも全て正論だった。
言い返す言葉がない。
その通りだ。全ては、俺の見通しの甘さが招いたこと。
見えていなかったのだ。
だけど、見えていたとしても…他にどうすることも出来なかった。
俺達はルティス帝国に助力を乞うしかなかったのだ。
見通しの甘さ、そのツケを…ルレイア殿に払わせようなんて、身勝手にもほどがある。
これは、俺が考えなければならないこと。
そんなことは分かっている。分かっていて、たくさん考えたけど…。
でも、セトナ様の言っていたことも正しいのだ。
俺は、仲間達が初めて手に入れた自由と平和を…奪い取ろうとしている。
その自由と平和を少しでも守ってやりたい。でも俺達は戦わなきゃいけない。
このジレンマに、俺は押し潰されそうだった。
だからって、ルレイア殿にどうしたら良いか尋ねるなんて…お門違いも良いところ。
ルレイア殿が拒否するのも分か、
「まぁでも…その素直な姿勢は嫌いじゃないですね」
「…え?」
…ルレイア殿…今、何て?
「俺はですねぇ、自分自身がとっても素直で純真無垢な人間なものですから…素直な人間は好きなんですよ」
「…」
「ちょっと。何で黙るんですか?」
「あ、い、いえ…」
ちょっと…返事に困ってしまって。
ルレイア殿の隣に座ったルルシー殿が、「はぁ…?」みたいな顔をしていたのは、見なかったことにした。
「分からないことを素直に分からないって言えるのは長所だと思いますよ。情けないのは確かに情けないですけどね…。でも分からないからって一人で迷走する馬鹿よりは百倍ましですよ」
「は、はぁ…」
貶されているのか、褒められているのかいまいちよく分からないが…。
…一応、褒められていると思って良いのか?
しかし。
「あなたは馬鹿ですが、自分が馬鹿だということを分かってるタイプの馬鹿です。だから、自分が馬鹿だと自覚してない馬鹿より余程救いがある。あなたのようなタイプの馬鹿は、学べば理解しますからね。自覚なし馬鹿は、自分は馬鹿じゃないと思ってるからそもそも学ぶ気もありません。救いようのない馬鹿です」
「…」
何だか一杯馬鹿馬鹿言われたので、やっぱり貶されているんだと思う。
「だから教えてあげましょう。あなたが求めていることを」
「!本当ですか」
いきなりのどんでん返しだ。
てっきりこのまま、知らん帰れ、と言われるのかと思っていたのだが。
「えぇ。俺は、若者には非常に親切で優しい、良い大人ですからね」
「…」
「だから、何で黙るんですか?」
「い、いえ…。何でもありません」
横のルルシー殿が、「お前ほど悪い大人もそうそういないだろ…」と呟いているのも、聞こえないことにして。
それはともかく…教えてもらえるのなら、有り難い。
「とはいえ、こういうことって、どうするのが正解、っていう明確な答えはないんですよね。人によりけりなので」
「構いません。ルレイア殿だったらどうするか…だけでも教えて頂けたら…」
「俺だったら?俺だったらそもそも革命なんてしません。自分と自分の大切な人だけ連れて、さっさと国外逃亡します」
あぁ…まぁ、それは…。そうだろうけど。
それを言われると身も蓋もない。
「…」
「大体こうなるのは予測出来たことでしよう。自分の見通しの甘さが招いた事態でしょうが。その責任を俺に取らせようなんて…良いご身分ですねぇ。知りませんよ、そんなことは。自分の仲間のことでしょ。自分で何とかしたらどうですか」
「…」
ルレイア殿の言うことは、何もかも全て正論だった。
言い返す言葉がない。
その通りだ。全ては、俺の見通しの甘さが招いたこと。
見えていなかったのだ。
だけど、見えていたとしても…他にどうすることも出来なかった。
俺達はルティス帝国に助力を乞うしかなかったのだ。
見通しの甘さ、そのツケを…ルレイア殿に払わせようなんて、身勝手にもほどがある。
これは、俺が考えなければならないこと。
そんなことは分かっている。分かっていて、たくさん考えたけど…。
でも、セトナ様の言っていたことも正しいのだ。
俺は、仲間達が初めて手に入れた自由と平和を…奪い取ろうとしている。
その自由と平和を少しでも守ってやりたい。でも俺達は戦わなきゃいけない。
このジレンマに、俺は押し潰されそうだった。
だからって、ルレイア殿にどうしたら良いか尋ねるなんて…お門違いも良いところ。
ルレイア殿が拒否するのも分か、
「まぁでも…その素直な姿勢は嫌いじゃないですね」
「…え?」
…ルレイア殿…今、何て?
「俺はですねぇ、自分自身がとっても素直で純真無垢な人間なものですから…素直な人間は好きなんですよ」
「…」
「ちょっと。何で黙るんですか?」
「あ、い、いえ…」
ちょっと…返事に困ってしまって。
ルレイア殿の隣に座ったルルシー殿が、「はぁ…?」みたいな顔をしていたのは、見なかったことにした。
「分からないことを素直に分からないって言えるのは長所だと思いますよ。情けないのは確かに情けないですけどね…。でも分からないからって一人で迷走する馬鹿よりは百倍ましですよ」
「は、はぁ…」
貶されているのか、褒められているのかいまいちよく分からないが…。
…一応、褒められていると思って良いのか?
しかし。
「あなたは馬鹿ですが、自分が馬鹿だということを分かってるタイプの馬鹿です。だから、自分が馬鹿だと自覚してない馬鹿より余程救いがある。あなたのようなタイプの馬鹿は、学べば理解しますからね。自覚なし馬鹿は、自分は馬鹿じゃないと思ってるからそもそも学ぶ気もありません。救いようのない馬鹿です」
「…」
何だか一杯馬鹿馬鹿言われたので、やっぱり貶されているんだと思う。
「だから教えてあげましょう。あなたが求めていることを」
「!本当ですか」
いきなりのどんでん返しだ。
てっきりこのまま、知らん帰れ、と言われるのかと思っていたのだが。
「えぇ。俺は、若者には非常に親切で優しい、良い大人ですからね」
「…」
「だから、何で黙るんですか?」
「い、いえ…。何でもありません」
横のルルシー殿が、「お前ほど悪い大人もそうそういないだろ…」と呟いているのも、聞こえないことにして。
それはともかく…教えてもらえるのなら、有り難い。
「とはいえ、こういうことって、どうするのが正解、っていう明確な答えはないんですよね。人によりけりなので」
「構いません。ルレイア殿だったらどうするか…だけでも教えて頂けたら…」
「俺だったら?俺だったらそもそも革命なんてしません。自分と自分の大切な人だけ連れて、さっさと国外逃亡します」
あぁ…まぁ、それは…。そうだろうけど。
それを言われると身も蓋もない。