The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
それに、何より気になることがある。

「監視カメラとかで映ってねぇの?」

「洗ってはいるけど…それらしい人物は見つけられなかったよ。残念ながら」

「…随分徹底してるのね…。同業者かしら」

「その可能性が高いかと」

アシュトーリアさんの意見に、アイズが賛同した。

…そうだな。俺もそう思う。

ここまで徹底した暗殺の手腕が…帝国騎士に出来るとは思えない。

これは恐らく…同業者、つまり俺達と同じ、裏社会の人間の仕業だ。

「私達に牙を剥くようなマフィアがいるの…?」

シュノがそう疑問を呈した。

…いるとは思えない、な。

…普通であれば。

「いないとは思うけど…絶対とも言い切れないからね。我々に敵対する勢力を洗い直してる最中だよ。見つけ次第、組織ごと潰して…」

「それは駄目だ」

俺は即座に、アイズの言葉を遮った。

組織を潰すのは良い。でも…暗殺者に報復するのは駄目だ。

「…駄目っていうのは、どういうこと?ルルシー」

「…殺すな、って言ったんだ。ルレイアが」

俺が一番気になっているのは、それだった。

ルレイアはあのとき…意識を失う前、彼を殺しちゃ駄目、と言ったのだ。

「…殺すな…?一体どういうことなの?」

アシュトーリアさんが、怪訝そうに尋ねた。

「…分かりません。ただ…。意識を失う前に、ルレイアがそう言っていて…」

「何じゃそりゃ」

そう言うと思ったよ、アリューシャ。

俺だって、ルレイアがどういうつもりであんなことを言ったのか、さっぱりなのだ。
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