The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
二時間後。

アイズが、ルニキス・エリステラなる人物を調べた結果を報告してくれた。

「該当する人物は見つかったかしら、アイズ?」

「はい」

てっきり偽名だと思っていたので、該当人物が見つかったと聞いて俺は驚いた。

「何者?」

「これを送ってきたのがルニキス本人だと仮定するなら…。ルレイアを襲ったのは、非合法組織『セント・ニュクス』のリーダーです」

…非合法組織のリーダーだと?

「非合法組織のリーダー…。それがルニキスだって?」

「そう。ルニキス・エリステラって名前を追うと、『セント・ニュクス』っていう非合法組織のリーダーが出てきたよ」

…そいつが、ルレイアを。

『セント・ニュクス』なる組織については…聞いたことがあるような、ないような。

「少なくとも…『青薔薇連合会』の下部組織ではないな」

「そうだね。私達の息はかかってない…。つまり敵組織の人間だ。ルレイアを襲う動機は、それだけで充分だね」

「…」

おおかた、『青薔薇連合会』を潰して…自分達の組織の浮上を目論んでいるのだろうが。

…そうはさせるものか。

「…アリューシャ、全然知らねぇけど、この、せんとにくす…って組織、そんなにつえぇの?」

「強くないよ。『セント・ニュクス』は…国内ではそこそこ大きな組織のうちに入るけど、良いとこ中堅くらいだね。私達と正面から戦って、勝ち目があるとは思えない」

そもそもルティス帝国に、『青薔薇連合会』とまともにやり合って勝ち目のある組織はない。

国内全ての『青薔薇連合会』以外の組織が全員束になって、それでようやくお話になるレベルだ。

それだって…勝機はごく僅かだ。

ましてや、『セント・ニュクス』が単体で『青薔薇連合会』の相手をするなど…無謀にもほどがある。

だからこそ斬首作戦で…ルレイアを先に潰しに来たのかもしれないが。

だからと言って…。それで勝敗が覆る訳ではない。

「じゃあこのルニ公って人、何考えてんだ?ってか、せんとにくすってどういう意味?」

「直訳すると…聖なる夜の女神、ってところかな」

「中二病かよ」

『青薔薇連合会』も似たようなものだろう。

アリューシャがいると、途端に緊張感がなくなるな。

「調べてみたところ、『セント・ニュクス』に最近大きな動きは見られなかった。少なくとも…他組織と同盟を結んだという情報はない」

「…じゃあ、『セント・ニュクス』が単体で喧嘩を仕掛けてきてるってことなの?」

困惑した様子のシュノ。

勝ち目のない戦いに自ら身を投じるような行為が、理解出来ないのだろう。

俺も理解出来ない。

「あるいは…リーダーであるルニキスが単身で、ってことも考えられるね」

「どちらにしても自殺行為に変わりないわね」

その通りだ。

『セント・ニュクス』に俺達をどうにか出来る力はない。

ましてや、いくら個の力が強かろうと…リーダー一人だけで何が出来る?

死神モード時のルレイアなら話は別だが。

それなのにわざわざ挑戦状まで出してくるということは。

…何か、策があるのだ。

「…万全を期して迎え撃つわ。皆、すぐに準備して」

「分かりました」

「りょ」

おいアリューシャ。返事は真面目にしろ。

ともかく、向こうから来てくれるというなら好都合。

ルニキスが何を考えているのかは知らないが、捕まえて、喋らせれば良いだけの話だ。
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