The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
ルリシヤの作ったものなんて食べるのは癪だけど…。

「…」

試しにと、俺はオムレツにナイフを入れてみた。

確かに、素晴らしいふわとろ具合。

…で、味のほどは?

「どうですか?ルルシー先輩」

「…美味しい」

認めない訳にはいかない。

…普通に俺より美味いじゃないか。畜生め。

「…!」

俺と同じく、ルリシヤのオムレツなんて意地でも食べまいと思っていたに違いないシュノ。

それでもあんまり皆が美味しい美味しい言うものだから、気になったのだろう。

彼女も一口食べて、驚いていた。

…ルリシヤの料理の腕前は、どうやら本物のようだ。

「驚いたね。ルリシヤは料理上手なんだねぇ」

「喜んでもらえたようで、良かったです」

ふざけた仮面つけてる癖に、意外にまともじゃないか。

何なんだ、こいつは。いまいちキャラが掴めないぞ。

すると、アリューシャが。

「ってかさ~、ルリシヤ…だからルリ公か。別に敬語使わなくても良いよ。それともルリ公もルレ公みたいに、デフォルトで『いんしんぶれー』な敬語使うタイプ?」

早速いつもの愛称で呼び始めたアリューシャ。

「アリューシャ。それを言うなら慇懃無礼、ね」

すかさず、アイズが突っ込みを入れた。

使えない言葉使おうとするから。

更に、ルレイアが口を尖らせた。

「ひどーい。俺の敬語は慇懃無礼じゃないですよ。ちゃんといつも、相手に心から敬意を持って敬語を使ってます」

嘘つけ。お前のはたまに人を馬鹿にする敬語だろうが。

「え…でも、先輩方にタメ口は…」

「気にすんな。アリューシャもアイ公の後輩だけど、普通にアイ公!って呼んでるし」

お前は誰に対してもそんな感じだよな。

アシュトーリアさんに対しては、一応真面目だけどさ。

そういえば…俺もアイズとアリューシャに敬語なんて使ったことないな。

先輩後輩の関係はあれど、幹部としての立場は一緒だからな。

個人的には…ルリシヤにはずっと敬語を使って欲しい気がしなくもないがな。

「私も気にしないよ。先輩だからって偉ぶるつもりはないから」

「俺も気にしませんよ~」

アイズもルレイアも気にしない。この流れは…俺とシュノも許せということだな?

気は進まないが…。

「…別に良いよ。俺も」

「…私も」

俺とシュノは、露骨に渋々という様子だが。

一応、了承した。

「…分かった。じゃあ…無礼講で行かせてもらう」

「宜しく~」

…ルリシヤが、段々と溶け込んでいっているような気がする。

こんなことを言っては悪いが…面白くはない。
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