The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
お?

珍しく、俺達を糾弾出来る口実を見つけたのが、そんなに嬉しいか?

今まで散々俺に迷惑かけてくれたのも棚に上げて?嬉しいねぇ、おっさん。

口に出して言いたかったけど、黙っておいてやったぞ。俺、大人だし。

「お言葉ですが、我々は一方的に宣戦布告された身です。こちらから攻撃を仕掛けた訳じゃない」

「だから自分達は無実だと?笑わせるな。お前達の横暴が、この事態を生んだのだ。恨みを買ってないとは言わせんぞ」

「よく言うよ、おっさん」

ごめん。大人だから黙ってようと思ってたけど。

やっぱり無理だった。俺、いつまでも童心を忘れない無邪気な大人だから。

「何だと?」

「まるで自分達が、今まで何も悪いことしてないかのような言い様!さぞや善行積んできたんでしょうねぇ。まさか、仲間を裏切って冤罪着せて捨てたり、自分達で倒せない敵をマフィアに協力して倒してもらったことなんてないんですよね。何もかも自分達で解決して、正しい正義を貫いてきたんでしょうねぇ。随分ご立派な方々ですね?」

「…っ」

「笑わせるなよ。ちょっと俺達を糾弾する口実が出来たからって、鬼の首取ったように。醜いにも程があるんですが?」

良いか。何度も言うがな。

俺は人を馬鹿にするのは好きだが、自分が馬鹿にされるのは大嫌いなのだ。

一生黙っとけジジィ。

「今大事なのは、『セント・ニュクス』に二度と化学兵器を使わせないことだ。誰が悪いか決めることではない」

オルタンスはきっぱりと言って、アストラエアを黙らせた。

このアストラエアさぁ。喋らせるとうぜぇから会議の場に連れてくるなよ。

折角俺が大人の対応をしようとしてるのに、台無しじゃん。糞が。
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