The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「なら、あなたは何故革命軍に参加してるんです?」

無理だろうと思ってる癖に、何故敢えて革命なんかに手を出す。

憲兵局にばれてみろ。あっという間に殺されるぞ。

奴らの手の早いことと言ったら、俺と良い勝負だからな。

「私は生きていたいだけだ。あんな糞みたいな国に生まれて、憲兵局なんかに殺されるのは我慢ならないからな」

「ほう…」

つまり彼女は、革命軍にでも入らなければ生きていけないほど、過酷な環境に生まれたと。

それはそれは。お気の毒様。

「革命軍に入り、力をつけ、身の自由を手に入れれば、あの国にいるよりずっと生き延びる可能性が広がる。そう思ったから革命軍に入った。私が『青薔薇解放戦線』にいるのはそういう理由だ。革命が本当に成功しようが、失敗しようが構いはしない」

「へぇ…」

なんとも潔いことじゃないか。

つまり、自分が安全に生きられたらそれで良いと。

良いじゃないか。綺麗事ばかり言う青二才より余程好感が持てる。

「実際、こうして祖国を出て逃げてこれた訳だからな。革命軍が憲兵局に捕まれば、私は逃げるよ」

「成程、それは良い…。あなた、なかなか俺のタイプです」

顔も好みだし、その潔さも気に入った。

「もし革命が失敗して、行き場がなくなったら…俺のところに来ると良いですよ」

俺の部下としては、非常に使えるだろう。

「それは有り難い申し出だな。なら、そのときはお言葉に甘えて、ここに来るとしよう。…生きていられれば、の話だがな」

ヴァルタは不敵ににやりと笑った。

うん。やっぱり俺の好みのタイプだな。

こういう狂犬じみた女は、男に媚びるしか能のない女よりよっぽど使える。

「おい、ルレイア…」

箱庭帝国出身の、しかも革命軍の女を部下に引き入れようなど、とルルシーは難色を示したが。

「大丈夫ですよ、ルルシー。この手のタイプは、身の安全を保証してやれば牙を剥いてはきません」

まぁ、それも全て、革命が失敗したら…の話だがな。

もし成功するなら、俺の計画もご破算だ。
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