The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
数時間後。

ティターニア家の邸宅の一室で、俺はフランベルジュ殿と向かい合っていた。

俺の他には、ミルミル、ヴァルタ、ラシュナと、それからフランベルジュ殿の部下がいた。

ヴィニアスとユーレイリーも呼んだのだか、ユーレイリーは「自分はあくまで臣下だから」と断り、ヴィニアスは「面倒臭い…」とのこと。

ユーレイリーはともかく、ヴィニアスは何とかならないものか。

「傷はどうだ?ルアリス」

席に着くなり、フランベルジュ殿が俺に尋ねた。

「大丈夫です」

本当は今もずきずきと痛んでいるのだが、このくらいは何ということもない。

むしろ、痛みのせいで眠気が覚めて良い。

「そうか。なら、早速本題に入るが…今後の計画について」

「はい」

俺も、当然そのつもりだ。

その為に来たのだから。

「何か、計画に変更は?」

「今のところは、当初の計画と変わりありません。このままここを拠点にして、まずは憲兵局に対して講和を申し込みます」

戦わずに解決出来るなら、それに越したことはない。

でも、それが叶う相手だとは思えない。

「講和が上手く行かなかったら…武力行使するしかありません。帝国騎士団の支援も受けて、箱庭帝国の帝都に攻め込みます」

自分で言っていて、身震いするほどだ。

なんて恐ろしいことを、俺はしようとしているのだろう。

でも、ここまで来たからには…そんなことは言っていられない。

「分かった。では、そのようにしよう」

「フランベルジュ殿、強いては、武器の調達を頼みたいのですが…」

「あぁ…さすがに、帝国騎士団に対しては頼めないからな。一応…目処は立ってる」

それは良かった。

武器がなければ、帝都に攻め込もうにも話にならないからな。

「どのように?」

「マフィアに頭を下げて売ってもらう他にあるまい。ルティス帝国の裏社会は、『青薔薇連合会』が独占しているからな」

…やはり、『青薔薇連合会』か。

その他にはいないだろうな。

「足元を見られるだろうが…仕方ないな」

「…」

『青薔薇連合会』が武器を売ってくれるのは、俺達に協力してくれているからではない。

彼らにとっては、単なる商売なのだ。

おまけに、市場は彼らが独占しているのだから…いくらでも値段を吊り上げられる。

…頭が痛い話だな。

金を出しているのは帝国騎士団だが…。
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