レンアイゴッコ(仮)
𓂃❅*°

「坂下先輩、これ、確認お願いします」

「ああ、うん……」

結局三日間東雲とはあまり口をきかずに金曜日。
今日は一週間お疲れ会の日なのに、今週はちっとも疲れが取れそうにない。たぶん、この疲れは今週の宿題として、来週に持ち越しになる。

「ちょっとこっちに来て」

と、その時、突然坂下先輩に腕を引かれ、強引にミーティングルームへと連れられる。一旦扉を閉めてしまえば、ガラス張りの部屋から外は見えても、話し声は聞こえない。

「ねえ、あれどう思う?」

閉鎖的なその部屋で、坂下先輩は詰め寄る。ひやりとしたものが背中に流れ、困惑を浮かべた。

「え?あれって、なにがですか?」

「見なさいよ、あの顔」

オフィスから見えないように親指を向けられ、ちらっと盗み見する。恋人であり同期である東雲の方目の下にはクマが出来ており、それがよりいっとう、東雲の儚げでアンニュイな雰囲気を後押ししている。

「いつも通りの美貌ですね」

「美しいわね……じゃなくて、あのクマ、病的よ」

「……それをどうして私に聞くんですか」

「なんだかんだ言って、妃立が一番東雲と仲が良いから、かしら」

「そうでしょうか……」

「どうしたのか聞いてみて。同性でも異性であっても、目の保養がないと毎日に潤いが無いのよ。妃立含め」

じゃあ、よろしく。と言って坂下先輩は先にミーティングルームを後にした。

「(原因は、多分、私なのに)」

……聞けるはずがない。
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