レンアイゴッコ(仮)
東雲と気まずくても時間は流れていく。

「妃立さん、サイトの最終チェック、お願いします」

その掛け声と共に、鈴木から送信されたのはミスが確認されたサイトだった。

「了解〜。チェックしたバグ、どうなった?」

「ああ、あれは……」

画面をスクロールさせて問題の箇所をクリックすると、問題なく稼働する。ファイリングされた資料と照合しても、全て修正されているのが確認された。

「うん、問題ないね。ちょっと、やるじゃん〜!結構時間掛かると思ってたのに」

バグを作ったのも鈴木の確認不足のせいなんだけどさ。
後輩が順調に育ってくれて、頼もしさを感じていると、

「そこ、実はさっき東雲さんが修正を手伝ってくれたんですよ」

と、盛大なネタバラシを貰う。

ちらっと東雲を盗み見する。もちろんクマの濃さは1ミリも変わっていない。表情も心無しか死んでいる。

「(あんなにクマ、作ってるのに……)」

デスクの引き出しを開けてガサゴソと探ると、個包装のチョコレートを見つけた。可愛いチョコレートボンボンだ。

「鈴木、これ、東雲にあげて!」

「これをっすか?」

「うん。鈴木からってことにして」

「えええ……無理がありますよ」

「いいから!」

内緒のポーズを作って、鈴木に押し付けた。
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