レンアイゴッコ(仮)
実りも、夢も、希望も、未来もない。
何も生まれない。生まれても意味が無い。
そう。無意味な時間を潰しているだけ。
「で、柑花は何に悩んでるの?」
桜雪の言葉に、視線を左にスライドさせた。
二人に強がりは無意味だ。
「……今日、職場に派遣の女の人が来たんだけど」
「うん」
「東雲と同じ大学の人だったんだけど」
「へえ、やりやすくていいじゃん」
「東雲はやりやすいかもだけど、急にやりにくくなっちゃって」
ポロッと気持ちを零したその時「彼女と仕事することが俺はやりにくい」と、絃葉が身も蓋もないことを言うと「だよねー!私も無理」と、桜雪も同調するから、憤りを手の中で握りしめて「もう!!」と吐き出せば、二人はケラケラと笑った。
「ねえ、女って言っても大学の友達でしょ?元カノでも一夜の過ちな関係でもないんでしょ?彼氏とそんなに親しくしてたの?」
桜雪の質問に、今日の光景を巻き戻し「親しいわけじゃ……」と、言葉を噤んだ。
「つか、関係を柑花に言ってないだけかも」
「有り得る」
「もう!!!」
二人は私の不安を煽る。面白がって。
「あは、何も無いって、それは嘘ね。柑花、ハマってるじゃない。悩んでいる時点で、そこに実りはあるのよ」
「…………ちがうもん……」
「あーあ、意地っ張り。大学の友達にヤキモチ妬いてる時点で相当よ」
「……」
見抜かれて黙る。これは必然。あらぬこと、不都合なこと。自分をさらけ出すことは、弱くなることに直結する。
「てか、東雲って聞くとあいつ思い出すわ」
ふと、絃葉が呟いた。
何も生まれない。生まれても意味が無い。
そう。無意味な時間を潰しているだけ。
「で、柑花は何に悩んでるの?」
桜雪の言葉に、視線を左にスライドさせた。
二人に強がりは無意味だ。
「……今日、職場に派遣の女の人が来たんだけど」
「うん」
「東雲と同じ大学の人だったんだけど」
「へえ、やりやすくていいじゃん」
「東雲はやりやすいかもだけど、急にやりにくくなっちゃって」
ポロッと気持ちを零したその時「彼女と仕事することが俺はやりにくい」と、絃葉が身も蓋もないことを言うと「だよねー!私も無理」と、桜雪も同調するから、憤りを手の中で握りしめて「もう!!」と吐き出せば、二人はケラケラと笑った。
「ねえ、女って言っても大学の友達でしょ?元カノでも一夜の過ちな関係でもないんでしょ?彼氏とそんなに親しくしてたの?」
桜雪の質問に、今日の光景を巻き戻し「親しいわけじゃ……」と、言葉を噤んだ。
「つか、関係を柑花に言ってないだけかも」
「有り得る」
「もう!!!」
二人は私の不安を煽る。面白がって。
「あは、何も無いって、それは嘘ね。柑花、ハマってるじゃない。悩んでいる時点で、そこに実りはあるのよ」
「…………ちがうもん……」
「あーあ、意地っ張り。大学の友達にヤキモチ妬いてる時点で相当よ」
「……」
見抜かれて黙る。これは必然。あらぬこと、不都合なこと。自分をさらけ出すことは、弱くなることに直結する。
「てか、東雲って聞くとあいつ思い出すわ」
ふと、絃葉が呟いた。