レンアイゴッコ(仮)
耳に軽く口付けられた。ちゅっと可愛い音とともに、耳に熱い花が咲く。
「あ、つい。ごめん」
「や、いいけど……」
「いいんだ」
と、お腹に腕を回され拘束された。この体勢はよくない。オムライス作りだったはずが一気に甘だるい空気に変わる。
「(いいけど、よくもない)」
緊張しているのは私だけみたいで、視線だけそろりと横をみれば、綺麗な横顔の男はいつも通りの無表情である。読めない。東雲が何を考えているのか、全く。
「昼間言ってた、俺のせいって、どういう意味?」
考えを知れたかと思えば、蒸し返されるとは思ってなかった。おかげで言葉が喉につっかえて、うまく出てこない。
昼間って……あれは、東雲のことを考えて、顔が赤くなっちゃったわけだ。
「言ったまま。東雲のせい」
「ふーん」
「東雲、なんか怒ってる?」
「柑花のせい」
「(……真似された)」
幼稚園児か、はたまた小学生か。男は心に少年を飼っていると聞いたことがあるけれど、東雲ももしそうなら可愛いんですけど。
「あ、つい。ごめん」
「や、いいけど……」
「いいんだ」
と、お腹に腕を回され拘束された。この体勢はよくない。オムライス作りだったはずが一気に甘だるい空気に変わる。
「(いいけど、よくもない)」
緊張しているのは私だけみたいで、視線だけそろりと横をみれば、綺麗な横顔の男はいつも通りの無表情である。読めない。東雲が何を考えているのか、全く。
「昼間言ってた、俺のせいって、どういう意味?」
考えを知れたかと思えば、蒸し返されるとは思ってなかった。おかげで言葉が喉につっかえて、うまく出てこない。
昼間って……あれは、東雲のことを考えて、顔が赤くなっちゃったわけだ。
「言ったまま。東雲のせい」
「ふーん」
「東雲、なんか怒ってる?」
「柑花のせい」
「(……真似された)」
幼稚園児か、はたまた小学生か。男は心に少年を飼っていると聞いたことがあるけれど、東雲ももしそうなら可愛いんですけど。