レンアイゴッコ(仮)
「妃立さん、先帰りますね。お疲れ様です」
「おつかれー!また明日もよろしくお願いします」
今日は残念ながら、残業しないと終わりそうになかった。お家に帰って1人でビールを飲もう。
東雲は、午後から夕方まで連続で企業との打ち合わせという、ちょっと迷惑なタイムスケジュールのおかげで今日は午後から離席している。そのまま直帰パターンだろう。
部長に頼りにされてるからって、部長も東雲に任せすぎなんだよなあ……。
それと同時に、これほど信頼している部下をみすみす手放す人でもないと思うから、やっぱり、異動は無いのだろう。東雲の意見は別として。
「妃立、先帰るから、目処立てて帰れよ」
さらに一時間程度パソコンとにらめっこを続けていると、唯一残業していた世良さんまで帰宅の準備を始めた。
「了解です。戸締りして帰りますね」
「よろしく」
世良さんの帰宅を見送って、一人になったのをいいことに前髪を額の上でくるりと纏めて視界を良好にさせた。あと一息だ。
「おつかれ。終わってないの手伝う」
世良さんと交代するようにオフィスにやってきたのは東雲だ。……え?東雲?
「は?帰ってきたの?」
脳内がバグを引き起こす。