レンアイゴッコ(仮)
「待ち合わせ、何時?」
「18時半に待ち合わせてる」
「俺も付き添う」
「え!?定時で終わる分量じゃないよね」
「何とかする」
じゃあ、と簡単な台詞を残して東雲は席を立った。ガラスの壁で仕切られた休憩室とオフィス。観葉植物の隙間から東雲が自分のデスクにたどり着きパソコンと向き合うのが見えた。
「(……嘘でしょ?)」
「あ、妃立さ〜ん!整骨院さんの担当さんから電話で、あのコンセプトで進めて下さいとのことです〜」
唖然としていれば、突然、別の声が私の思考を遮った。デザイナーの宮尾ちゃんだった。
「ありがと。宮尾ちゃん、どっちか食べる?」
先程同様、右手にポテト、左手にピザを持つ。
「わあ!良いんですか!?ポテト食べたいです〜!」
「だよね、普通、返事はそうだよね」
「何かありました?」
モグモグとハムスターみたいに頬張りながら、あまり興味の無さそうな質問を受け取る。
「ある人に、真ん中って言われたの」
返事は、世間話と変わりない熱量。ふうん、と普遍的な相槌を聞いた。
「妃立さんのこと食べたかったんじゃないですか?」
直後、盛大なカウンターをお見舞された。