Re:Love〜7年越しに愛されて〜


聞いた事もないような低い声で湊は威嚇する。


立石ーーもとい咲苗は、湊に睨まれ顔を真っ青にしていた。


「…湊先輩…どうして、」
「此処じゃ通行の邪魔だ。場所を変える」


ドクドクと未だ恐怖の音を鳴らす日菜子を気遣うように湊が声をかける。


「大丈夫だ。俺の後ろにいろ」


声は出せず、顔を青くしたまま日菜子は頷いた。

一部始終を見ていた背後にいた数人から慌てた様子で声をかけられ、湊は咲苗の腕を掴んだまま騒がせて申し訳ないと謝罪をしていた。


「すみませんが、警備員の方だけ呼んでもらえますか」


そう言った湊の言葉でさえ他人事のように思え、日菜子は腹を抱えた状態のまま一歩も動けず立ち尽くしていた。

同じく青い顔をした咲苗は、俯いたまま目視でも分かるくらい体を震わせていた。

間も無くして警備員が駆けつけ、湊が「彼女を頼みます」と言うので日菜子は湊とは別の部屋に通された。





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