イケメン友達ドクターによる真夜中の診察は
 ふと、まだお風呂に入ってないことに気が付いて慌てた。
 が、もう遅い。
 今さら頭を引っ込めることもできず、彼に頭皮を触られる。

「触ったときに痛い?」
「痛いは痛いけど、すごい痛いわけじゃないかな」

 答える間にも、彼は頭を撫でて、なぜか私の耳を触り始める。

「ちょ、なにしてるの?」
「一応、確認しておこうかと」
「なにを?」
 その間にも彼は耳の裏をそっと撫でてくすぐり、私はぞくぞくっとして身を縮めた。

「やだ、やめてよ」
「感じた?」
「違うし!」
 ただのいたずらだ、と気が付いて私は体を引いた。

「頭打ったの、どれくらい前?」
 彼はなにもなかったかのように診察に戻る。なんなの、もう。

「午前中、出勤した直後くらいだから……九時くらい」
 言った直後、彼は吹き出した。
「頭打って十二時間なにもないなら大丈夫だよ」
 そんなの常識だ、とでも言いたげな口調に私はムッとした。
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