異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「おにいしゃまも、知ってるでしょ?」
「僕は……」
「カイブルは責任感が強くて、頼りになる人だってこと!」

 愛する妹の言葉は、兄のモヤモヤとしていた気持ちを晴れやかにしてくれる。
 彼は拳を握りしめると、こくんと小さく頷いた。

(パパに相談して、ほんとによかった!)

 ロルティはニコニコと笑顔を浮かべて、父親の背後に控えているカイブルを見つめる。

 背中で手を組み、休めの体制でじっと待機している騎士は、どこか困ったように眉を伏せながら、口元を緩ませていた。

「ジュロドはまだ幼い。これからいくらでも挽回ができる」

 その様子を確認したジェナロは、全員に聞こえるような大きな声で息子へ言い聞かせた。

「剣術だけではなく、話術や思考力を学べ。このままでは、ハリスドロア家の当主にはなれないぞ」
「……はい。申し訳ありませんでした……」

 父親から諭された兄は深く反省した様子で、謝罪を口にする。
 その様子を目にしたロルティは、父親に問いかけた。

「おにいしゃまとカイブル、仲直り、する?」
「ああ。誤解は解けた。あとは、2人が言葉を交わし合うだけだ」
「ほんと!?」

 ジェナロから質問の答えを受け取った愛娘は、ぱっと太陽のように明るい笑顔を浮かべると大きな声で宣言する。
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