異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
(でも……。子どもの言うことだからって、信じてくれないかもしれない……)
この現場を一緒に目撃してくれる大人がいれば、話は早かったのだが――何事も全てがロルティの思い通りに進むわけではない。
(ないものねだりをしたって、仕方ないよね)
彼女が獣達とともに盗み聞きをしていることが露呈したなら、この場で命を刈り取られてしまうかもしれないのだ。
足が動かないならば、彼らが去り行くのを待つしかなかった。
「これを紅茶に混ぜて使え」
「は、はい……」
「あの女の死が確認できるまで、妹の身柄はこちらで預かっておく。失敗したら、貴様と妹の命はない」
「わ、わかりました! やります! 必ず、やり遂げて見せますから……!」
「私はつねに、貴様の行動を見ているぞ」
「う、うぅ……。ううう……!」
メイドのものらしき押し殺した啜り泣く声と、男が去り行く足音が同時に聞こえてくる。
「むきゅ……」
腕の中に抱きかかえていたアンゴラウサギの震えが、か弱い鳴き声を上げると同時にピタリと止まった。
ロルティはそうっと壁から顔を出し、この先に続く廊下を覗き見るが――そこには誰もいない。
この現場を一緒に目撃してくれる大人がいれば、話は早かったのだが――何事も全てがロルティの思い通りに進むわけではない。
(ないものねだりをしたって、仕方ないよね)
彼女が獣達とともに盗み聞きをしていることが露呈したなら、この場で命を刈り取られてしまうかもしれないのだ。
足が動かないならば、彼らが去り行くのを待つしかなかった。
「これを紅茶に混ぜて使え」
「は、はい……」
「あの女の死が確認できるまで、妹の身柄はこちらで預かっておく。失敗したら、貴様と妹の命はない」
「わ、わかりました! やります! 必ず、やり遂げて見せますから……!」
「私はつねに、貴様の行動を見ているぞ」
「う、うぅ……。ううう……!」
メイドのものらしき押し殺した啜り泣く声と、男が去り行く足音が同時に聞こえてくる。
「むきゅ……」
腕の中に抱きかかえていたアンゴラウサギの震えが、か弱い鳴き声を上げると同時にピタリと止まった。
ロルティはそうっと壁から顔を出し、この先に続く廊下を覗き見るが――そこには誰もいない。