異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「キラキラで、ピカピカがいっぱい!」

 見ているだけで満足したロルティは、それらから視線を移して兄へのお土産を探し始めたのだが――。
 娘が欲しがっていたものを黙って見逃すほど、父親の目は節穴ではない。

「ここにあるものを、すべて包め」
「ティアラと王冠をすべて、ですか!?」
「ああ」
「大人用も、混ざっておりますが……?」
「成長した際、身につけさせればいい」
「こうしたアクセサリーは手入れが必要不可欠でして……。長年放っておくと、錆びてしまいます」
「貴様の店では粗悪品を販売しているのか」
「そのようなことは、けして!」

 店主はジェナロの申し出がありがた迷惑であったようで、どうにか商品の一部のみを購入するだけで満足してくれないかと渋っているようだ。

「パパ。おじしゃん、困ってるよ?」

 ロルティは悩んだ末に、父親の説得を試みた。
 彼を止められるのは、娘である彼女しかいないからだ。

「俺の娘だと素直に認めなかった罰を、与えているところだ。ロルティは気にせず、ジュロドの土産を選ぶといい」
「おじしゃん、悪いことしたの……?」
「ああ。万死に値する重罪だ」
「ご、誤解です!」

 店主は顔を真っ青にしてジェナロの言葉を否定しようとしたが、父親としての威厳を保ちたい彼がそれを許すはずもない。
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