異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「パパが人間だと、不満か」
「ううん! 魔法が使えなくても! こうやってパパとおにいしゃまが、わたしのそばにいてくれるだけで、充分だよ!」

 ロルティは父親の胸元に自分達と同じリボンが飾られていることに気づき、ニコニコと微笑みながら告げた。

「みーんなお揃いなの、すっごく嬉しい! 仲良しの証拠だね!」
「そうだよ。僕達の家族仲が悪いなんて、誰にも言わせない」
「ああ……。ロルティが外に出なくても、俺が娘と仲がいいことを、率先して言い触らしてくる。心配はいらないぞ」
「うん! ありがとう、パパ!」

 父親の言葉に頷いたロルティは彼らと一緒にいる間は命の危機を感じる必要はないのだと肩の力を抜き、みんなで微笑み合う。

(いつか、カイブルも……)

 そんな中でロルティは、聖騎士も一緒にお揃いのリボンをつけて家族の仲間入りができないものかと叶わぬ願いを抱きながら、家族団らんの時間を堪能した。
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