異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
彼女は安心させるようにすっかりフサフサに戻った毛を優しく撫でながら、今にも泣き出しそうな顔をした。
「ロルティ。大丈夫だよ」
「でも……」
「父さんが、なんとかしてくれるはずだ」
「パパ……?」
「そうだよ。あんまり騒がしいようなら、耳栓をもらおう」
「みみせー?」
「音を、聞こえなくするんだ」
「おにいしゃまの、声も……?」
「そうだね。僕は魔法が使えないから……」
都合よく周りの音を遮断し、ジュロドの声だけが聞こえるようにするのは魔法を使わぬ限り難しい。
兄の申し訳無さそうな声を耳にしたロルティは、さらに不安が増幅する。
(何が起きてるんだろう……?)
彼女は泣きじゃくりながらも、瞳に浮かんだ涙が溢れぬようにぐっと唇を噛み締めて堪えた。
「泣かないで……」
「でも、うさぎしゃんが……!」
「――ロルティ」
ジュロドに慰められながらも、不安でどうしようもない気持ちを爆発させかけた時のことだった。
兄妹の部屋に、父親が顔を出したのは。
「パパ……」
「妹を泣かせるなど、兄の風上にも置けないな」
「まさか。ロルティは、父さんのせいで不安になっているんだ」
「俺に罪をなすりつけるな」
2人は視線を合わせた瞬間、バチバチと火花を散らし始めた。
一度こうなってしまえば、どちらかが満足するまで父親と兄の罵り合いは止まらない。
「ロルティ。大丈夫だよ」
「でも……」
「父さんが、なんとかしてくれるはずだ」
「パパ……?」
「そうだよ。あんまり騒がしいようなら、耳栓をもらおう」
「みみせー?」
「音を、聞こえなくするんだ」
「おにいしゃまの、声も……?」
「そうだね。僕は魔法が使えないから……」
都合よく周りの音を遮断し、ジュロドの声だけが聞こえるようにするのは魔法を使わぬ限り難しい。
兄の申し訳無さそうな声を耳にしたロルティは、さらに不安が増幅する。
(何が起きてるんだろう……?)
彼女は泣きじゃくりながらも、瞳に浮かんだ涙が溢れぬようにぐっと唇を噛み締めて堪えた。
「泣かないで……」
「でも、うさぎしゃんが……!」
「――ロルティ」
ジュロドに慰められながらも、不安でどうしようもない気持ちを爆発させかけた時のことだった。
兄妹の部屋に、父親が顔を出したのは。
「パパ……」
「妹を泣かせるなど、兄の風上にも置けないな」
「まさか。ロルティは、父さんのせいで不安になっているんだ」
「俺に罪をなすりつけるな」
2人は視線を合わせた瞬間、バチバチと火花を散らし始めた。
一度こうなってしまえば、どちらかが満足するまで父親と兄の罵り合いは止まらない。