異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
(手元にお金があれば、わたしは1人前の大人の仲間入り……!)
立派な聖女になれば、痛いことも苦しいことも経験しなくてよくなる。
ロルティにとってはお金を稼ぐと言うことは、身の安全が保証されるのと同義であった。
「うさぎしゃんの毛、売ってもいいかなぁ……?」
「むきゅう……」
彼女が売りたいと思っても、この毛はアンゴラウサギのものだ。
許可を得られなければ、どうしようもならない。
ロルティは不安そうに赤い瞳でこちらを見つめる獣に問いかけたが、長い沈黙の末に小さな生き物が出した答えは――。
「んきゅ……」
いやいやと全身を動かし、すべてを拒絶するように目を瞑った。
(うーん。やっぱり、嫌だよね……)
毛刈りをする時だって、あれほど怯えていたのだ。
定期的に何度も短くカットしなければならないとしても、処分に困った毛を高値で取引されるのは我慢ならないのだろう。
(わたしだって、嫌な気持ちになるもん……)
自分の髪に価値があると知り、売買を繰り返すまではいいが――。
不届き者達が販売者の手を介さずに直接髪を切り刻みに来ようものなら、命にかかわる。
立派な聖女になれば、痛いことも苦しいことも経験しなくてよくなる。
ロルティにとってはお金を稼ぐと言うことは、身の安全が保証されるのと同義であった。
「うさぎしゃんの毛、売ってもいいかなぁ……?」
「むきゅう……」
彼女が売りたいと思っても、この毛はアンゴラウサギのものだ。
許可を得られなければ、どうしようもならない。
ロルティは不安そうに赤い瞳でこちらを見つめる獣に問いかけたが、長い沈黙の末に小さな生き物が出した答えは――。
「んきゅ……」
いやいやと全身を動かし、すべてを拒絶するように目を瞑った。
(うーん。やっぱり、嫌だよね……)
毛刈りをする時だって、あれほど怯えていたのだ。
定期的に何度も短くカットしなければならないとしても、処分に困った毛を高値で取引されるのは我慢ならないのだろう。
(わたしだって、嫌な気持ちになるもん……)
自分の髪に価値があると知り、売買を繰り返すまではいいが――。
不届き者達が販売者の手を介さずに直接髪を切り刻みに来ようものなら、命にかかわる。