【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「まだだ。量が多すぎるのと、そもそも魔法は専門外だ。書かれている内容はわかるが、理解が追いつかん。だからこれは、魔道士らに預けようかと思っていたところだ。あっちのほうが、この術式を有効活用してくれるだろう。それに控えは研究部門で保管してある」
「まあね。術式の応用は魔導士らに。ただ、内容の整理は軍で行ったほうがいい。情報が分散すると、あとで参照するのが大変だからな」
 ユースタスの言っていることは正しい。情報は一元管理しておかないと、必要なときに必要な情報が取り出せない。
「となれば、やはりカタリーナ・ホランは必要だろ? あの子は古代文字だけでなく、古代魔法全般にも精通しているという話だ」
 どこから情報を仕入れたのだろうか。
「なるほど。カタリーナ・ホランという存在そのものが、驚異というわけだな……」
 ライオネルがぽつりと呟く。
 カタリーナの知識を他国や反王国組織に利用されたらと考えると、厄介である。
「そういうことだ。だから頼んだよ、ライオネルくん」
 ライオネルの肩をポンと叩いたユースタスは部屋から出ていった。
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