【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
同情をはらむ視線が、アンヌッカにまとわりつく。
「ディオケル大尉。ちょっといいか? カタリーナ・ホランのことで相談がある」
「は、はい」
ピリッと空気が張り詰める。ライオネルが何を言い出すのかと、みな、気が気ではないのだろう。
それはアンヌッカも同じだ。
研究室に併設されている会議室に入り、ライオネルは手短に仕事について説明した。国の機密事項にかかわる魔導書をカタリーナに解読してもらいたいということ。そして、機密事項であるがゆえ、持ち出したができないため、ライオネルの執務室で仕事をこなしてもらう必要があると。
イノンは驚きつつも、それを断れる立場にはない。
「承知しました」と頭を下げたことで、この話は成り立った。
ライオネルはアンヌッカが荷物をまとめている側から、ひょいひょいと手にしていく。
「これで全部か?」
「は、はい……」
まるで追い剥ぎにあったような気分だ。アンヌッカの荷物はすべてライオネルに奪われてしまった。
「では、いってまいります」
しばらくの間だけライオネルの側で仕事をするのだから、きっとこの挨拶であっていると、アンヌッカは自身に言い聞かせる。
「ディオケル大尉。ちょっといいか? カタリーナ・ホランのことで相談がある」
「は、はい」
ピリッと空気が張り詰める。ライオネルが何を言い出すのかと、みな、気が気ではないのだろう。
それはアンヌッカも同じだ。
研究室に併設されている会議室に入り、ライオネルは手短に仕事について説明した。国の機密事項にかかわる魔導書をカタリーナに解読してもらいたいということ。そして、機密事項であるがゆえ、持ち出したができないため、ライオネルの執務室で仕事をこなしてもらう必要があると。
イノンは驚きつつも、それを断れる立場にはない。
「承知しました」と頭を下げたことで、この話は成り立った。
ライオネルはアンヌッカが荷物をまとめている側から、ひょいひょいと手にしていく。
「これで全部か?」
「は、はい……」
まるで追い剥ぎにあったような気分だ。アンヌッカの荷物はすべてライオネルに奪われてしまった。
「では、いってまいります」
しばらくの間だけライオネルの側で仕事をするのだから、きっとこの挨拶であっていると、アンヌッカは自身に言い聞かせる。